尿酸はヒト血中で主要な抗酸化物質の一つであり、実際に血清中の抗酸化能の約半分を担っているとされています。そのため、尿酸には活性酸素を除去し、細胞の酸化ストレスを抑える「アンチエイジング効果」があるとも言われています。
しかし、尿酸値が高い=アンチエイジングになる、とは言えません。
【理由・科学的根拠】
- 尿酸の抗酸化作用
正常範囲(2.1~7.0mg/dL)であれば、活性酸素の除去や血管拡張などの「体を守る」作用が期待できます。 - 高尿酸血症(7.0mg/dL超)や痛風患者の場合
尿酸が過剰になると、逆に「酸化促進作用」や「炎症促進作用」が強くなり、動脈硬化・高血圧・心血管疾患・腎障害・メタボリック症候群など多くの生活習慣病リスクが増加します。 - 痛風発作や腎障害のリスク
高尿酸血症は痛風や腎臓病の直接的な原因であり、これらは寿命やQOLを低下させる重大な要因です。 - 「高すぎても低すぎても良くない」
尿酸は「適正な範囲」でこそ抗酸化作用が活きますが、高すぎるとむしろ体に有害な働きをすることが明らかになっています。
【結論】
痛風や高尿酸血症の人がアンチエイジングになる、ということはありません。
むしろ、尿酸値が高いとさまざまな疾患リスクが増えるため、適正範囲内にコントロールすることが健康・長寿・アンチエイジングのために重要です。