全粒穀物

全粒穀物(ぜんりゅうこくもつ、英: whole grains)とは、精白などの加工で外皮・胚芽・胚乳の一部を取り除いていない穀物、あるいはその製品のことです。米なら玄米、小麦なら全粒粉(whole wheat flour)や全粒小麦そのもの、トウモロコシ、大麦、ライ麦、オート麦など。


全粒穀物が推奨される理由

  • 栄養バランスの良さ
    • 全粒穀物は、精製された穀物と比べて食物繊維、ビタミンB群、ミネラル(マグネシウム、鉄、亜鉛など)、抗酸化物質を豊富に含んでいます。
    • これらの栄養素は、脳のエネルギー供給や神経伝達物質の合成、細胞の酸化ストレスからの保護に役立ちます。
  • 血糖値の安定化
    • 全粒穀物は消化吸収が緩やかで、食後の急激な血糖値上昇を防ぎます。
    • 血糖値の乱高下は脳血管障害や神経細胞の損傷リスクを高めるため、血糖コントロールは認知症予防に重要です。
  • 心血管リスクの低減
    • 全粒穀物の摂取は、血圧やコレステロール値の改善、動脈硬化の予防にも寄与します。
  • 抗炎症・抗酸化作用
    • 全粒穀物に含まれるポリフェノールや食物繊維は、体内の炎症や酸化ストレスを軽減し、神経細胞の保護に役立つと考えられています。
  • 腸内環境の改善
    • 食物繊維が豊富な全粒穀物は、腸内細菌叢のバランスを整え、腸脳相関を通じて脳の健康にも好影響を与える可能性があります。

まとめ

全粒穀物は、栄養価が高く、血糖値や心血管リスクの管理、抗酸化・抗炎症作用、腸内環境の改善など、神経変性遅延を防ぐための多くの健康効果を持つため、地中海式-DASH食事療法で積極的に推奨されています。