トッチーの珍行動集〜家族の笑いの源〜

おもしろ系

私の父(トッチー)は、70歳を過ぎた今でも元気いっぱいで、その言動は家族や親戚の間で笑いの種になっています。父の予想外の行動や発言は、時に恥ずかしさを感じさせつつも、家族の絆を深める貴重な思い出となっています。

今回は、トッチーのいくつかの珍行動をまとめてみました。


イカ刺身事件

ある日の親戚会合で、祖父おすすめのイカの刺身が食卓に並びました。みんなが美味しそうに食べる中、父も一口。そして、こう言ったのです。

「このイカは甘くておいしいですね。あ、醤油が甘いのか」

場が静まり返る中、祖父は複雑な表情を浮かべていました。私は慌てて「お父さん、それイカ自体の甘みだよ」とフォローしましたが、父は「違ういね。この醤油が甘いんよ」と自信たっぷり。

ついつい失礼な事を言うトッチー。別に悪気はないんです。


スロット珍プレイ

父はギャンブル好きで昔はよくパチンコ屋に行っていました。ある日、私と一緒にスロットを打ちに行った時のこと。

父はスロットの打ち方がよく分かっていないようでしたので、ボーナス中のJACK IN時について教えていました。そんな中、父の台でJACK INの画面になりました。私は教育的な意図も込めて、「この時は枚数を多く取るために入れるのか外すのかどっちと思う?」と聞きました。

すると父は、「入れる!!」と威勢のいい声とともに、迷いもなく順押し。結果、大幅に獲得枚数を減らしてしまいました。父は「ん??何かいけんやったんかね?」と首をかしげていましたが、私は心の中で「教えた意味なかったな…」とため息をつくしかありませんでした。

トッチーは人の話をあまり聞かずに行動する癖があります。


キリスト誕生劇の主役論争

私の姪が幼稚園の演劇で、キリストの誕生に関する演目に出ることになりました。姪はマリア様役だったので、私は「主役やろ?頑張ってね」と声をかけました。

すると、姪と同じ幼稚園だった父が突然、「お父さんは羊飼いの役やった」と言い出したのです。私は「昔からある演目やったんやね。男やったらヨゼフが主役になるんやろ?主役じゃなかったんやね」と返しました。

ところが父は、「お父さんは主役やった。昔は羊飼いが主役やった」と真顔で言い張るのです。私は「そんなわけねえやん!」と突っ込まずにはいられませんでした。結局、その日の夕食でも「キリスト誕生劇で羊飼いは主役だった」と、父は折れることがありませんでした。

トッチーは基本折れません。ちなみに謝ることも滅多にしません。


3歳児への人生訓

ある日、3歳の姪っ子がタブレットでYouTubeを見たいとせがんでいました。普通なら「ダメよ」と優しく諭すところですが、父はなぜか急に哲学者のような口調で言い放ちました。

「あのねえ、何もかも思い通りにならんのよ!」

3歳の子供に人生の真理を説く父の姿に、周りの大人たちは笑いを堪えるのに必死でした。姪っ子は父の言葉の意味が分からず、きょとんとした表情を浮かべていましたが、それでも父は満足げな表情でした。

トッチーは孫に対しても容赦ない時があります。


法事での珍事

おじいちゃんの法事の時のこと。父はずっと正座をしていましたが、喪主焼香の時になかなか立ち上がりませんでした。親戚一同が心配そうに見守る中、ようやく父が立ち上がりました。

しかし、次の瞬間、父はバランスを崩してこけてしまったのです。足がしびれていたようで、法事の厳粛な雰囲気の中、父は照れ笑いを浮かべるばかり。結果的に捻挫していたのでした。

トッチーは無理して行動する時があります。


ソフトクリームの達人

父には特殊な才能があります。それは、ソフトクリームを食べるのが異様に早いこと。家族で外出した時、みんながまだソフトクリームを半分も食べていないうちに、父はすでに完食しています。

この特技について、うちの大叔母は「あんた、女の腐ったのやね」と言っていました。父は「いや、これは男の勲章よ」と胸を張っていましたが、私たち家族は「それ、自慢することじゃないよ」と冷ややかな目で見ていました。

トッチーはソフトクリームが大好きです。入院していた際も、ソフトクリームを売店で買って持っていくと、それはおいしそうに食べていたのを思い出します。


父の珍行動は、時に恥ずかしく、時に面白く、そして時に温かさを感じさせます。

例えば、イカ刺身事件の後、父は祖父に「美味しかったよ、ありがとう」と素直に感謝の言葉を述べました。スロットでの失敗後も、「まあ、楽しめればええんよ」と前向きな姿勢を見せてくれました。

キリスト誕生劇の話では、父の主張は間違っていましたが、幼い頃の思い出を大切にしている様子が伝わってきました。3歳の姪っ子への人生訓は確かに大げさでしたが、父なりに大切なことを伝えようとする気持ちが感じられました。

法事での出来事は確かに失態でしたが、父の正座を頑張る姿勢や、失敗後も明るく振る舞う態度に、親戚一同が温かい気持ちになりました。そして、ソフトクリームを食べる速さは確かに特殊な才能ですが、それを誇りに思う父の姿に、家族は微笑ましさを感じています。


父の言動は、時に周囲を困惑させることもありますが、それ以上に家族や親戚を笑顔にする力を持っています。彼の予想外の行動や発言は、日常に特別な彩りを添え、家族の絆を深める貴重な思い出となっているのです。

父が年を重ねるにつれ、これらの思い出はますます愛おしいものになっていきます。時に恥ずかしく、時に面白く、そして常に温かい。それが私たち家族の日常であり、父がいるからこそ生まれる特別な時間なのです。

父のこの予測不能な言動こそが、私たち家族の日常に笑いと温かさをもたらす、かけがえのない宝物です。

これからも父は、きっと私たちを驚かせ、笑わせ、時には困らせるでしょう。でも、それこそが父らしさであり、私たち家族の大切な日常なのです。父の珍行動が続く限り、私たち家族の笑顔も続いていくことでしょう。