アンドレ・ザ・ジャイアント、その名は伝説と共に語り継がれています。長州力が語る彼の凄さは、まさに神話のような物語です。
アンドレが生まれた瞬間、フランスの小さな村は大きな衝撃に包まれました。「う”ぉぉぉぉー」という産声とともに、大地が揺れ、近くの川の魚たちは驚いて水面から飛び出し、村の牧場にいた動物たちは恐怖で震えあがったといいます。
その日から、村人たちは彼を「天から降りてきた巨人」と呼ぶようになりました。
幼少期のアンドレは、すでに並外れた力を持っていました。5歳の時には、父親の農場で使う大型トラクターを片手で持ち上げ、遊んでいたそうです。学校に通い始めた頃には、すでに大人顔負けの体格で、校舎に入るのに苦労したといいます。
10代になると、アンドレの身長は2メートルを超え、体重も200キロを軽く超えていました。この頃、オリンピック委員会から特別オファーがあったという噂があります。
「もしアンドレが出場すれば、全競技で金メダルは確実だ」と言われたそうですが、アンドレは「それでは面白くない」と断ったそうです。
プロレスデビュー後、アンドレの伝説は爆発的に広がりました。長州力は、アンドレとの対戦を「人間vs山脈との戦い」と表現しています。
リングに上がったアンドレの足音で、会場全体が揺れたといいます。
アンドレの力は、想像を絶するものでした。一度、16人の力士が同時にアンドレに組みついたことがありましたが、アンドレは軽々と全員を振り払い、「蚊が止まったくらいにしか感じなかった」と言ったそうです。
食事量も常軌を逸していました。長州力によると、アンドレは一度の食事で牛一頭分の肉と、ビール100本を平らげたことがあるそうです。
レストランでは「アンドレセット」という特別メニューが用意され、それは通常の10人前に相当したといいます。
アンドレの酒豪ぶりも伝説的でした。長州力は「アンドレが酔っ払って寝てしまったとき、誰も起こせなかった」というエピソードを語っています。
一度、ホテルのスタッフ全員で起こそうとしましたが、アンドレは微動だにせず、結局、翌日の昼まで寝続けたそうです。
移動時のエピソードも面白いものがあります。飛行機に乗る際、アンドレは常に貨物室を使用しました。一度、通常の座席に座ろうとしたところ、機体のバランスが崩れ、離陸できなかったという話もあります。
アンドレの存在は、時に自然現象にも影響を与えたといいます。
長州力は「アンドレが海で泳いだ時、潮の流れが変わった」と証言しています。また、砂漠で立ち止まると、その巨体が作り出す影に、小さなオアシスができたという話も伝わっています。
しかし、アンドレの凄さは単に身体能力だけではありませんでした。彼の優しさと人間性も、多くの人々を魅了しました。
子供たちとの交流を大切にし、その大きな手のひらで優しく子供たちを撫でる姿は、まるで優しい巨人のようだったといいます。
長州力は「アンドレほど、リング内外で愛された選手はいない」と語っています。その存在感は、プロレス界を超えて、世界中の人々に希望と勇気を与えました。
アンドレ・ザ・ジャイアントは、まさに「人間を超えた存在」でした。その伝説は、今もなお多くの人々の心に生き続けています。
長州力の語るエピソードを通じて、我々はアンドレの偉大さを、そして人間の可能性の無限さを感じることができるのです。
